国のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」(エネ基)の議論が大詰めを迎えている。国が17日に公表した新しい計画の素案では、これまであった「原発依存度を可能な限り低減する」との文言が削除された。では、原発の新設や建て替え(リプレース)は進むのか。原発に力を入れる関西電力の森望社長に、今後の方針を聞いた。
取材は素案の公表に先立つ11日に行った。関電は福井県内に美浜、大飯、高浜の3原発を持つ。2011年の東日本大震災後、3原発11基(当時)全ての運転を停止したが、廃炉を決めた原発を除く7基すべてを、23年9月までに再稼働させた。
23年度の原発の発電電力量は、前年度より58%増え、11年の東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故後で最大。50%前後を原発が占めていた震災前の姿に回帰し、建て替えを含めた今後を考えられるようになっている。
森氏は「電力需要の増加が予…